今年こそはあの場所へ！

2025/03/06
writer： Moto
- 買付や原産国について

今更ですがNatural Loungeのモットーは現地へ直接行きストールを購入すること。
毎年インドへ行き現地で生産者から直接仕入れをするのは僕らのこだわりでもあり、強みでもあります。
ただ今では当たり前になったインド買付もNatural Loungeを始める前は右も左もわからない場所でした。

インド織物の魅力にひかれ、インドなら間違いなく素晴らしいストールに出会える。
今同じことをしろと言われても出来る気はしませんが、当時はストールの情報があればローカル電車やバスを乗り継いで何一つ疑うことなく僕らはインド中を歩き回りました。

しかもあの頃のインドはインターネットが繋がる環境も限られていたし、ネット検索しても今のような情報は出てきませんでした。
手書きの地図と住所を頼りに生産者を探す日々。
その成果が今の生産者とのつながりです。

そんな僕らにとって当時から特別な場所だったのがインド北部にあるカシミールです。
いろいろ言うまでもなく何百年も昔から世界中の人々から高い評価を得てきた最高級の織物の産地。
それがカシミールです。

カシミールは陸の孤島と呼ばれたり、インドの楽園とも言われています。
陸の孤島と呼ばれる理由は他の侵入を拒むかのような険しい山々に囲まれているから。
一方でその雄大な自然が美しいことからインドの楽園とも人々は呼びます。

この写真は6年前に実際にカシミールへ行った時の写真です。
高台から見渡した景色。

デリーから陸路でカシミールへ行くには険しい山道を乗り越える必要がありますが、乗り越えた先にこの景色が広がっているわけです。
楽園と呼ばれる理由もわかります。

そして雪が多いこの地域の建物は屋根の傾斜もきつく、他のインドとは異なる街並みを見ることができます。
さらに街の中心にあるダル湖に並ぶハウスボートはカシミールの名物です。

夜の湖に浮かぶハウスボートの光がまた綺麗なんですよね。
実際に住民が暮らしているボートもあれば、観光客の宿泊用に作られたボートもあり、カシミールでしか見れない景色がここにもあります。

そしてこんな美しいカシミールで生産されるのがカシミヤ手織り・手刺繍ストールです。

昨年訪問した標高5000mで生産されたカシミヤ山羊の原毛はこの街に運ばれ、ここで多くの職人の手によって世界に名高いカシミール織物が作られます。

何百年も昔からこの場所で受け継がれる伝統の技法。
その生産方法は昔から一つも変わることなく現代に残されています。

職人の自宅兼工房の一室には木製の手織り機が置かれ、部屋に一歩入れば数百年前にタイムスリップしたような感覚になります。

そして織り上げられた希少なパシュミナ生地に、熟練の刺繍職人が丁寧に刺繍を施していきます。
陽の光で手元を照らしながらひと針ひと針通していくその姿はまさに芸術家。
一枚の布に世界に一つだけの美しい糸の絵が描かれていきます。

この光景も何百年も昔から変わりません。

これまで僕らは4回この街を訪ねていますが、何度行ってもこの街の美しさと職人たちの見事な手仕事に圧倒されてきました。
そして前回の訪問から今年で6年。

実は昨年、本当はこのカシミールを訪問する予定を立てていました。
ただ直前で現地の治安が不安定という情報が入り断念。
結果的にパシュミナ山羊の生産者を訪ねましたが、今年こそはと次回6月の買付での訪問を計画しています。

今年こそはカシミールへ。
あなたにもまだ見知らぬカシミールの魅力をお伝えできたらと思います。

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Profile

Moto

1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。

趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。